KEIJYU's Second Short Story

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Blue K

朽ちる身体 Vol.4 ―― Silk Jasmine(月橘)

Vol.1 Vol.2 Vol3 Vol.4 ***** 「もうおしまいにしよ?」 二週間ぶりに抱いた恋人は、ベッドの上で背を向け、下着を身に付けながらさらっと明るい声でそう言った。 「何、どうしたの? 俺が何かした?」 彼女の腰を取り、こちらに引き寄せようとするが、その…

朽ちる身体 Vol.3 ― Scabiosa(スカビオサ)

Vol.1 Vol.2 Vol.3 Vol.4 ***** 月白の光が、驚いた健一郎さんの顔を照らした。その光に照らされた髪は青というより碧く、美しいなぁなんてぼんやり考えていた。 「自分が何を言っているか、分かってる?」 一呼吸の間をおいて、彼が言葉をのせた。 私はただ…

朽ちる身体 Vol.2 -BLUE MOON(薔薇)

Vol.1 Vol.2 Vol.3 Vol.4 ***** 「大丈夫?」 目黒川沿いにある古いアパート。青い髪の彼が、ドアに背をもたれて仕事帰りの私を待っていた。 私のその問いに答える様子もなく、俯いたままの彼。その長い前髪が顔を隠し、表情が読み取れない。ただ、その下か…

朽ちる身体 Vol.1 ― SAKURA(桜)

Vol.1 Vol.2 Vol.3 Vol.4 ――私は、人を愛するという感覚がわからない。 いつも私とは別の人間が俯瞰で見ている感覚。いや、俯瞰で見ている方が私自身であり、動いてる人間はどこか違う。何かが違う。それは人というより動く物体。 だからと言って感情がない…